ドラマの突然の時間延長でCMがカットになった? - 真・役に立たない駄話

ドラマの突然の時間延長でCMがカットになった?

 製作費もない、ビデオ技術もない、こんなテレビ草創期、バラエティーだろうが歌番組だろうが基本はすべて「生放送」だった。ドラマ番組さえ生が当たり前。ちょんまげ、裃姿のお侍が行き交う時代劇に現代人のスタッフが平気で横切ってしまう場面もめずらしいことではなかったらしい。現代なら立派なコントになる、ある意味、見てみたい気もするが、ほかにも時間より早く終わりすぎて、ブラウン管が突然真っ白になるなど、笑えるエピソードが後を絶たなかったという。

 なかでも信じられないエピソードが、ドラマ時間の延長で後番組を押してしまうという話。セリフの長さ、スタジオ装置の都合などの事情が重なって、ドラマのオンエアの時間調整はひじょうに難しかった。キッチリ時間どおりに進行することのほうが稀だったといわれるほどだ。時間オーバーのときはバッサリとストーリーが途切れてしまったり、時間延長されて後番組を押してしまったという。野球やサッカー、スポーツ中継ならまだしも、ドラマが延長で後番組がずれるなんて今ならまず考えられないだろう。

 前番組の延長でその後のCM時間までもカットされることがあったというから、いまじゃ考えられないほどおおらかな時代だ。当時はCMも大半が生。スタジオ隅のテーブルに所品を並べスポンサー専属のCMタレントが商品の解説をする。いまもワイドショーや通販番組でこのスタイルが踏襲されているが、この生CMでとんでもないミスが起こったことがある。

 あるとき、前番組がいつものように時間延長で、急遽CM時間が短くなるという事態が発生した。舞い上がったのがCMのナレーションをするはずだった女性。時間をカットされたおかげで、何度も練習した商品解説が出来ない。取り乱した彼女は「せめて大切な内容を告知しよう」と、短時間に必死で商品解説のボードを書き上げ、それをテーブルにある商品の横においた。「これならナレーション時間が短くても商品のことを紹介できる」と。

 彼女のとった行動そのものは非常によかったし、間違ってもいなかった。しかし、いちばん肝心な商品価格を間違って書いてしまった。本来は30000円という商品を3000円と表記、「ゼロ」がひとつ少なかったのだ。

 放送の翌日、商品に群がる客、客、客・・・あらためてテレビの影響力の大きさを目の当たりにするほどの大騒動だったらしい。とうのスポンサーも多くの人達へのお詫びをふくめ大損害をこうむった。テレビ局側もスポンサーにひれ伏すほどの大失態となってしまった。以降、生CMは徐々に減少、多少の制作費はかかってもCMはフィルムへと姿を変えることになる。
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